影(シャドウ)の投影
清水友邦さんのFB よりシェア
ある日、アメリカの25歳の主婦は届いた洋服屋の請求書を見て驚きました。
自分が知らない間に派手な衣服が衣装ダンスにあったからです。
請求書のサインは自分の筆跡でした。
しかし、本人には全く身に覚えがありませんでした。
彼女は心理療法家の治療を受けました。
すると治療の最中に全く異なる人格があらわれました。
心理療法家は異なる人格にイヴ・ホワイトとイヴ・ブラックと名付けました。
イヴ・ホワイトはまるで聖女のように地味で慎み深く、いつも悲しみをたたえた表情をしていました。
服装は見栄えのしない安物の地味な服装を好みました。
陰気でおとなしいホワイトと異なりイヴ・ブラックは小悪魔のようで声は粗野で陽気そしてセクシーで快活でした。
イヴ・ブラックはイヴ・ホワイトの知らない間に派手な服装でナイトクラブに現れ、魅力を振りまいて男を手玉に取って遊びました。
朝になるとイヴ・ブラックは消え去り、イヴ・ホワイトは困惑してしまうのでした。
この話は「私という他人」という題名で講談社文庫で出ています。
またイブの三つの顔(The Three Faces of Eve)という映画にもなっているので、よく知られている話です。
イヴ・ホワイトは白い側面だけを生きてきました。
生きてこなかった半分の黒い側面が人格化されイヴ・ブラックとなりイヴ・ホワイトを悩ませたのです。
イヴ・ホワイトは極端な例かもしれませんが
会社では控えめで真面目な人が家庭では家族を困らせる旦那だったりさ
優しい女性と思って結婚したら旦那にだけ暴力的だったり
良い人だと思って結婚してみたら性格が豹変したと言う話を聞きます。
酒を飲んだ時とか車を運転する時とか普段の良い人の性格とは逆になる性格が現れるのはよくある話です。
あまりにも影(シャドゥ)が抑圧されると、その影に復讐されると心理療法家の河合隼雄さんは言っています。
子は親に似ると言いますが親の価値観を子供に押し付けると親の影(シャドゥ)を生きる事になることもあります。
親は社会的に立派で道徳的な教育者なのに息子が手に負えないかったりします。
どんなに偉大な英雄や人物でも、奥さんの点数は辛く尊敬されないことが多いのです。
あるがままの自分を否定されると、分離し否定された自我は影(シャドゥ)となって無意識の下に抑圧されます。
そして抑圧の力が強いほど反対の圧力も強まります。
何かをきっかけに押さえつける力が弱まった時、ダムが決壊した時のように溜めこんだエネルギーが吹き出します。
気にくわない人物をひたすら攻撃をする人がいます。
その攻撃の対象となった人物とは自分自身を投影した影(シャドゥ)なのです。
自我は境界を作って自分を分離させて内側の自分だけが特別と思っています。
自我はあるがままの自分を感じないようにしているので内側にある影(シャドゥ)を自覚していません。
抑圧された影(シャドゥ)を相手に投影して自分は正義で対象は悪であると見て攻撃してしまいます。
影(シャドゥ)の投影による自分の偏見・歪み・思い込みに気づけないで争いが起きています。
世界中の至る所で影(シャドゥ)の投影が起きて敵対しています
個人の内面で起きている衝動を外に向って投影して正義の戦いを始めても内側の衝動はなくなりません。
影(シャドゥ)を現実世界に投影しても世界は荒廃していくだけです。
制度や仕組みを変えるだけでは危機を乗り越えるのは困難です。
シャドー(影)から自由になるには、否定的な受け入れがたい感情が自分にあることをしっかり受け止めること、
それに心を開いて手放す訓練が必要なのです。
思考が鎮まり、思考に同一化することをやめてリラックスしたとき
自他を分ける境界が消えます。
あるがままに観照している真実の自己に気づきます。
思考に気がつき抑圧されたシャドー(影)を自覚できる一定数の人々が現れる必要があるでしょう。
観照の眼を持った人々が増え続けて加速がつき、ついにその人数が社会を変えることができる臨界値を超えた時に世界中の争いは収束に向かいます。
もう十分苦しんだ人は自分の全体をあるがままに受け入れる準備ができています。
気にくわない人物をひたすら攻撃をする人がいます。その攻撃の対象となった人物とは自分自身を投影した影(シャドゥ)なのです。
もう20年ほど前……ストレスケアを学んでいる時、習ったことです。
それから色々な方と出会い……仕事の中でも、知り合いの中でも……「自分自身の投影」とお話ししてきました。
そんな苦しみが体の不調となって出てきます。
他人は変えられない……痛感します😱
自分と向き合い、自分に気付く……感じた方は、一瞬で変わります。そんな方が増えますようにと願うばかりです🙏😄
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