7月1日という日
人の心に灯りをともす よりシェア
小林正観さんの心に響く言葉より…
以前、数十人で中国はシルクロードの旅に出かけたことがあります。
玄奘(げんじょう)三蔵が 西域への旅に出て最初に立ち寄った高昌国(こうしょうこく)があったトルファンから、敦煌(とんこう)の入り口 である柳園(りゅうえん)というところまで、特急の寝台列車に乗って移動するのです。
10月の初めでしたが、ものすごく寒い。
例年にない寒さだということでした。
暖房を入れてくれるように車掌に伝えましたが、まだ季節ではないので入れられないとのこと。
寝台列車の個室の間にある廊下では、こぼれた水が凍っていたので、氷点下にまで下がっていたようです。
あるのはふとんあるいは毛布1枚だけ。
そんな過酷な状態で私たちは11時間も列車に揺られつづけました。
翌朝、駅にたどり着いた私たちは、駅の向かいにある食堂で食事をとることになりました。
ここもまた、暖房はついておらず、氷点下の寒さです。
そこで出てきたのが、人肌よりややあたたかいぐらいのうすい豆乳(だと思われる液体)でした。
テーブルを囲んで数十人の人が、みんな同じ姿勢――前かがみに背を丸めながら、両手で器を大事そうに包み込んで、その豆乳をすすっていたのです。
その光景を見て、私は「美しい」と思いました。
もし、あたたかい列車で旅をして、あたたかい食堂で出されたら、「ぬるい」「まずい」と文句をつけるにちがいない代物 です。
でも、11時間にわたる凍りつくような寒さのなか電車に揺られてきたおかげで、生ぬるい、うすい豆乳をみんなが笑顔で、ありがたそうにいただいている。
それはまさに「幸せ」に満ちたシーンでした。
過酷な寒い列車での長旅は、はたして「不幸」だったのでしょうか?
そうではありません。
私たちが「幸せ」を感じるためには、その前には一般的に 「つらい、苦しい、大変」といわれる状況が起こるようです。
そういう構造になって いる。
それは、時計の振り子にたとえてもよいでしょう。
真ん中から右側が、一般的にいう「不幸」。
つらい、悲しいと感じる領域です。
一方、左側に行けば、いわゆる「幸 せ」だと思ってください。
「幸せを見せてください」と言われた神さまは、まず思いっきり右側に振り子を振ります。
そして私たちが、「もう耐えきれない、ギブアップ」と言うと、神さまはその 振り子から手を離します。
振り子は勢いがついて、真ん中を通り越して、大きく左側 (幸せ)に行きます。
そのことに気づいたら、私たちはつらいこと、苦しいこと、大変なことに遭遇したときも、一喜一憂せずに、平静な心でいられるかもしれません。
『人生は4つの「おつきあい」(サンマーク文庫)』
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今、世界では昨年から始まったコロナ禍で、多くの人が四苦八苦している。
とりわけ、飲食や観光、ホテル、交通、旅行業の人たちに甚大な被害が出ている。
まさか、このコロナ禍が1年以上も続くと思った人は多くはなかったと思う。
これが、もうあと半年続いたら、倒産や閉店のラッシュが始まるだろう。
もうほとんどのところがギリギリなのだ。
しかし、この小林正観さんの列車の旅のエピソードでもわかるように、今のこのコロナの状況は、思いっきり振り子を右側に振られた状態なのかもしれない。
「もう耐えきれない、ギブアップ」という状態。
ということは、もしかしたら、今、神様は、振り子から手を離したところなのだ。
神道では、昨日(6月30日)で今年の前半が終わり、「夏越(なごし)の祓(はら)え」という神事が行われた。
夏越の祓えとは、今年の前半(1月から6月まで)の罪穢(つみけが)れを祓う行事だ。
前半の「嫌なこと」「失敗してしまったこと」「過ち」「罪」「けがれ」などを祓って、きよめる行事。
つまり、前半をリセットしてチャラにするということ。
そして、新たに今年の後半戦が今日、7月1日からまっさらな状態で始まるということ。
だからこそ、今日からは前を向いて、未来に備える必要がある。
今できる最大限の努力をして、来るべき「コロナ明け」に備えること。
「明けない夜はない」
我々は今の現状に右往左往せず、このコロナ禍の後の未来を想像する必要がある。
どんな嵐や台風が来ても、いつかそれは去り、明るい朝は来る。
なげいても、うらんでも、事態は好転しない。
文句を言わず、地道な努力をする人に、運命の女神はほほ笑む。
今日から、新たな日々が始まる。
感謝の心を持ち、今日の7月1日、まっさらな心でスタートしたい。
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今日の7/1❣️
この記事をUP出来ることを感謝します🙏😄