偶然は運命からの招待状
人の心に灯りをともす よりシェア
本田健氏の心に響く言葉より…
私が好きな昔話の一つに、『わらしべ長者』の物語があります。
名もなく貧しい一人の青年が、手にした1本のワラを元手に行く先々で物々交換をしながら、最後は大金持ちにまで上りつめる…。
そんなサクセスストーリーです。
たまたまつかんだ1本のワラ、たまたま出会った人々が、青年の人生の扉を次々と開いてくれました。
幸運は、偶然をチャンスに変えるところから生まれます。
「駅でたまたま学生時代の同級生と会ったのが縁で、今の会社に転職した」
「落とした財布をたまたま拾って届けてくれたのが、現在のパートナー」
など、みなさんのなかにも、予期せぬ出会いや出来事がきっかけで、それまでのライフスタイルや収入が大きく変わった経験がある人もいるでしょう。
人生はあらかじめ描いたプランとは関係なく、こうした偶然の導きによって、思いもよらない方向へ転がっていくことがあるのです。
実際、ビジネスの世界で成功した人が、偶然をうまく生かすことで『わらしべ長者』のように、チャンスをつかんできました。
ホンダ創業者の本田宗一郎氏と名参謀と呼ばれた藤沢武夫氏の出会いも、その一例です。
物語は、戦後まもない頃、藤沢氏が古い友人と東京・市ヶ谷の公衆トイレでバッタリ再会したことから始まります。
「浜松にちっぽけだけれど、いい会社がある。社長は本田宗一郎というんだが、その彼が天才的な技術者でね。どうだ、会ってみる気はないかい?」
その友人のひと言で本田、藤沢の両氏は引き合わされ、二人三脚で一介の町工場を世界企業にまで躍進させたのです。
意思の力や努力だけで現状を変えるのは、難しいものです。
けれど、このように偶然という乗り物にうまく乗れば、仕事や人生そのものが、より高いステージへといっきに飛躍する可能性があるのです。
偶然は、「運命からの招待状」といってもいいでしょう。
ところが、多くの人はその招待状が届いていることすら気づいていません。
あなたも、街で偶然知り合いに会ったとき、「久しぶり!」「奇遇だねぇ」くらいで終わらせてしまうことが多いのではないでしょうか。
それではせっかくの運命からの招待状を、開きもせずに捨てているのと同じです。
『仕事消滅時代の新しい生き方』プレジデント社
本田氏は「毎日、偶然の宝探し」をしてみよう、と言っている。
『偶然には、自分にとって必要なメッセージが必ず隠されています。
それが「何か」がわかるまで、「最近、変わったことはあった?」「何かおすすめの本はある?」など、相手といろいろな話をしてみるのです。
会話のなかで、「それ、いいね」「おもしろそう」と心に刺さった話があれば、それが、あなたが受け取るべきメッセージです。
私の場合、相手の話に出てきた人物に興味が湧き、「ぜひ紹介してください」と頼んだことから、その人物との新しいプロジェクトが始まったこともあります。
偶然は、こんなふうにチャンスに変わっていくのです。
いつもは見逃しているだけで、偶然という招待状は、誰のところにも届いています。
バス停で、映画館やコンサートの会場で、信号待ちの交差点で…。
そこに知った顔がいないかどうか、ちょっとあたりを見回してみてください。
普段手にしない本や雑誌を、めくってみてください。
たまたま開いたページに、あなたが欲しかった情報があるかもしれません。
自分の会社のカスタマーサポートに届いたコメントや商品レビューなどに注目してみるのもいいでしょう。
同じ内容の投稿が3回届くなど、「あれ?」と引っかかったところに、販売促進や商品企画のヒントが隠されているかもしれません。
こう考えると、毎日が宝探しのようでワクワクしませんか?』
セレンディピティという言葉がある。
「素敵な偶然」とか、「予想外な素敵なものを発見する」、あるいは「予測していなかった偶然がもたらした幸運」という意味だ。
何かを探しているときに、その対象とは違う価値をそこに見つけることでもある。
たとえば、たまたま置いてあった本を何気なく開いたら、そこに自分が今一番欲しかった言葉があった、というようなこと。
ふとした偶然をきっかけに、幸運がやってくることを言う。
似た言葉に「シンクロニシティ」がある。
これは心理学者のユングが提唱した概念で「意味のある偶然の一致」をいい、「共時性」ともいう。
たとえば、「虫の知らせ」とか「今考えていたことがテレビで偶然放送される」とか、「ふっと思い出した人から突然電話がある」とかのことだ。
大事なことは、ちょっとした偶然を見逃さないこと。
そこに何らかの意味があり、ヒントが隠されている。
「偶然は運命からの招待状」
ちょっとした偶然を大切にする人でありたい。
『偶然は運命からの招待状』……実践すると……
人生はワクワクと楽しさに満ちた世界になります❣️
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